コラム 財団抵当について

 財団とは、土地・建物といういわゆる不動産のほかに機械・器具・構築物等、技術(工業所有権)等を一括して、特別の登記制度によって公示することで、一個の物件とするものです。

 この財団抵当制度は、明治時代に日本の近代化にあたって企業育成のため、資金調達の多様化を図る必要があったため「企業組織全体」を「一つの有機体」として、抵当権の担保物件とすることを目的として発足した制度とされています。

 財団抵当制度は、工場抵当法、鉱業抵当法、鉄道抵当法よりはじまったとされ、工場財団、鉱業財団、漁業財団、港湾運送事業財団、鉄道財団など10もの財団が存在しています。

 鑑定評価の場面では、この工場財団を担保評価として行うケースが最も多いです。