相続税の算定においては路線価に基づいた財産評価基本通達の評価方式が採用されています。土地は時価を計算するのが原則ですが、すべての土地の時価を計算するのは大変です。そこで税務署は道路に値段をつけました。これを路線価といいます。この値段に土地の面積を掛けて土地の相続の評価にしました。この路線価評価も不動産鑑定士が評価を行っていますが、そもそも標準地のみの評価で路線ごとに価格を設定するものであるため、個別格差が大きい土地について、路線価方式による価格が時価よりも相当高くなるなど、十分に反映できていないのが現状と思われます。
そこで、相続税の土地評価においては、財産評価基本通達の評価方式によらず、鑑定評価額を時価として土地価額を申告することができる旨、相続税法22条に記載されています。具体的には、次のような画地条件の問題がある土地や収益価格が重視される不動産が対象と考えられます。
・画地条件の問題(減価が大きい)がある土地
① 広大地
② 前面道路の幅員が2m未満の土地
③ 間口の狭い土地・無道路地
④ 傾斜地、崖地、高低差がある土地
⑤ 市街化農地、市街化山林、市街地原野
⑥ 不整形な土地、特に袋地
⑦ 市街化調整区域に所在する宅地、雑種地
⑧ 道路より低いまたは高い土地
⑨ 建築基準法の道路に面していない土地
⑩ 高圧線下地、都市計画道路予定地を含む土地
・収益価格が重視される不動産
① 借家人付の店舗、事務所、戸建住宅、マンション
② 借地権、底地
③ 商業ビル、店舗事務所ビル、スーパー、
ロードサイド店舗
④ 区分所有建物、ワンルームマンション
適切な納税は税理士との連携が重要と思われます。
鑑定評価の活用を通じた適切な対策が可能です。
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