今回は土地基本法を取り上げたいと思います。
ちょっと硬い内容ではありますが、この土地基本法、土地についての基本理念を定めたものです。
一度は目に触れたことのある、土地基本法ですが、改めて見てみると、第2条で土地に対する公共的規制の根拠として、
① 土地は国民のための限られた貴重な資源である
② 国民の諸活動にとって欠かせない基盤である
③ 土地利用が他の土地の利用と密接な関係を有する
④ 社会経済的条件(人口、産業動向、土地利用動向、社会資本整備状況)によって土地の価値が変動する
など、公共の利害に関係する特性を有していることに触れ、土地についての公共の福祉優先を掲げています。
こうした理解に立って、
① 計画に従った土地の適正利用
② 投機的取引の抑制
③ 地価上昇利益に応じた適切な負担
を求めるものとなっています。
バブル経済の地価高騰時に制定されたものだけに、現状にはややそぐわないところもありますが、現状としては、地価抑制から土地の有効利用へと目標が転換され、世の中ではCREだとか、PREという言葉が流行り、新聞記事では不動産業界も活動に力が入っているように見受けられます。
有効活用は、基本線は規制緩和による民間活力の導入なのでしょうが、サブプライム前に拡大傾向にあった不動産の証券化は、不動産に資金が流れ込む仕組みとして経済活性化には非常に良かったですし(今でもそうですが)、私自身も事業者の立場として一時期関わることもありましたので、古い建物が新しくなり、街が活気づく様は、なにかワクワクさせられるものがありました。ただ、サブプライム後は大幅な資産デフレを引き起こしたという意味では、東京や大阪において不動産の商品性という観点をより高めたのではないかと思います。
諸外国との比較を厳密に行ったことはないですが、日本は不動産の所有権に対する権限が強固に認められ、それが経済を動かしている側面が大きいと思います。
公共の福祉優先が掲げられるなか、広島県の都市計画においては、成熟社会に対応した、分権・誘導型の計画的な広域都市づくりのもと、まちづくりが進められており、広島市を中心とし、廿日市、呉、東広島などその他各拠点の都市機能向上と役割分担、拠点間の連携が求められているところとなっています。
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