9月に発表された地価調査による1年間の平均の地価変動率は、各用途・各圏域で約3%~5%の下落となり、前回(約3%~8%)に比べ、全体的に下落率が縮小しています。
特に、三大都市圏では、住宅地、商業地とも下落率が半減しており、理由としては、①前回の調査は世界的金融危機後で土地需要が大幅に減少した時点の調査であったが、今回の調査は景気が厳しい状況ながら持ち直しを見せている時点における調査であること、②住宅地においては、都市部で利便性、選好性(人気)が高く潜在的に需要の大きい地域で、マンションや戸建住宅地の値頃感の高まりや税制等の住宅関連施策の効果等から住宅地需要が回復した地域が現れたこと、③商業地においては、数年前に活発な不動産投資が行われた中心部において世界的金融危機以後オフィス空室率の上昇、賃料下落が続く厳しい市況に大きな変化は見られないものの、大都市の一部地域において金融環境の改善もあって収益用不動産の取得の動きが見られること等が挙げられています。
一方、地方圏では、人口減少や中心市街地の衰退といった構造的な要因もあり、住宅地、商業地とも前回とほぼ同じ下落率を示しています。
地価調査年 |
平成21年(前回) |
平成22年(今回) |
|
住宅地 |
全国 |
△4.0% |
△3.4% |
三大都市圏 |
△5.6% |
△2.9% |
|
地方圏 |
△3.4% |
△3.6% |
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商業地 |
全国 |
△5.9% |
△4.6% |
三大都市圏 |
△8.2% |
△4.2% |
|
地方圏 |
△4.9% |
△4.8% |
|
全用途平均 |
全国 |
△4.4% |
△3.7% |
三大都市圏 |
△6.1% |
△3.2% |
|
地方圏 |
△3.8% |
△3.9% |
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